膝痛の原因と鑑別の方法について

膝の痛み1 膝の解剖図1

ある患者様のお話

患者さん「先生、最近膝の痛みがひどくて歩くのがツラいです」
お医者様「わかりました、一度レントゲンを撮って、関節の状態を確認してみましょう」

(しばらくして・・・)

医師「レントゲンでは特に異常はないですね、少し痛み止めと湿布薬で様子を見てみましょう」
患者さん「ありがとうございます(でも、たしかに膝は痛いんだけど、異常ないってどういうことだろう・・・?)」

レントゲン検査は関節が痛い時に関節の状態を調べるために行われる画像検査の一つです。しかし、レントゲン検査を受けたのに、結局原因がわからないということは珍しくありません。そのような時、原因がわからなくて良いのかな?他の検査をしなくても大丈夫かな?と不安に感じる人もいるでしょう。しかし、実は他の検査をせずに少し様子を見てみるというのは間違った対応ではないのです。

このブログではレントゲン検査の目的や、レントゲン検査で原因が分からなかった時のその後の流れついてお話ししたいと思います。

  1. なぜ関節痛はどうして起こるのか?

関節痛はいろいろなことが原因で起こります。例えば、膝関節の痛みの原因には変形性膝関節症、靭帯損傷、半月板損傷などがあります。これは関節というのが骨、軟骨、靭帯などさまざまな組織によって作られており、「関節の痛み」の原因が多いことが関係しています。

  1. レントゲン検査では何がわかるのか?

レントゲン検査は身体の外からX線を当てることで身体の中の状態を調べる検査です。症状のある関節にX線を当てることで状態を調べることができます。レントゲン検査で分かる関節痛などの原因は、次のものがあります。

骨折

脱臼

変形性関節症

関節リウマチ

これらの病気は「骨の形状」や「骨の位置関係」に異常が起こる病気です。

レントゲン検査は骨の形状や位置関係の異常を見つけるのに優れています。

多くの医療機関で行うことができ、また検査直後に画像を確認できるというのもレントゲン検査の長所です。

一方で、レントゲン検査では肩関節周囲炎、靭帯損傷、半月板損傷のように骨自体以外の原因の病気の診断には優れていません。レントゲン検査では靭帯や軟骨を見ることができないためです。代わりに靭帯や軟骨の状態を見ることができる画像検査があります。それがMRI検査です。

  1. 靭帯や軟骨まで見ることができるMRI検査が必要な人とは

MRI検査は磁石の力を使い画像を構築する検査で、レントゲン検査でわからなかった靭帯や軟骨、筋肉の状態などが分かります。したがって、レントゲン検査で骨に異常がなく、靭帯や軟骨の損傷が疑われる場合には、MRI検査が検討されます。

しかし、冒頭の患者さんのようにレントゲン検査で原因が分からなかった場合に、全員にMRI検査が行われるわけではありません。理由としては、MRI検査がレントゲン検査と比べると受けられる医療機関が少ないこと、そしてもう一つに関節痛の原因の多くは保存療法(痛み止めや湿布などによる治療法)で様子をみていくと、改善していくことがあげられます。人間の身体には傷を改善する機能があり、関節の損傷もひどいものでなければ、時間とともに修復することができるためです。

したがって、レントゲン検査で異常がなければ、まずは保存療法で良くなるか様子を見るのは理にかなった選択であると言えます。もし、保存療法でしばらく様子をみても良くならない場合には、MRI検査の段取りが組まれることになります。

ただし、問診や診察から靭帯断裂や半月板損傷など手術が必要な状態だと判断された際や、症状の程度から保存療法で良くならなさそうな時にはMRI検査の段取りが早い時点で組まれます。

まとめると、MRI検査が考慮されるものとしては、

保存療法を行っても改善しない場合

問診や診察から靭帯断裂や半月板損傷などが疑われる場合

関節の症状が強い場合

などが考えられます。

このように問診や診察の内容から、MRI検査に進んだ方が良いかが判断されていきます。

この患者様は、自分の膝の痛みの原因が分からなかったのでお医者様に行かれました。その後なかなか膝の痛みが改善しなかったということだったのでこちらで施術をさせていただきました。

そのときのご質問に答えさせていただきました。

さらにその後、膝の改善が見られました。原因は・・・膝周りの筋肉の弱さによって起こる痛みでしたので、施術と自己ケアの方法をお伝えして良くなりました。今でも月に2回ほど来られています。

たくみ整骨院